mushroom on the poolside

女の子はお砂糖とスパイスでできてない 

NEO恐竜の侵食を止めたい。

 

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恐竜には、実は羽毛が生えていて、その上結構カラフルだったと

TVで放送されていたのを観て、なんだか がっかりしたのは私だけだろうか?

 

幼少の私は恐竜が好きだった。

いや、今も好きだ。

恐竜展が開催されると聞くとなんだかそわそわするし、

フィギュアを見ると手に取らずにはいられない。

 

恐竜なのに優しそう。

という理由から、肉食恐竜よりも草食恐竜である”トリケラトプス” や ”ブラキオサウルス” が好きだと言い張っていたが、

心の中では「T.rex 先輩 まじカッコイイっす!!」と思っていた。

ひねくれた子供である。

 

ある日、恐竜好きの私のために、母が恐竜展に連れて行ってくれた。

日本各地で開催されるイベントで、我が故郷にもやっと順番が回ってきたのだ。

大好きな恐竜たちに会うために早起きをし、おめかしをし、車酔いでぐったりすること1時間やっと会場に辿り着いた。

   

然るべき行程を(親が)済ませ、いざ!!恐竜たちの元へ!!

  

 

まるで恐竜の時代にタイムスリップしたかのような空間。

ミステリーハンターよろしく、シダ植物をかき分け進むと、夢のような世界が目の前に広がっていた。

 

ティラノサウルスの化石標本の圧倒的存在感とデカさに少しびびり、

密かにかっこいいと思いを馳せていたプテラノドンの目つきの鋭さに驚愕し、

そそくさと逃げこんだ草食恐竜ブースでは巨大な草食恐竜たちが、夕日をバックに広い大地を悠然と歩く姿に感動した。

 

会場を隅々まで見て回り、 説明書きも全部読み(親が)、他にも色々な生物がいたこと、ジュラ紀白亜紀のこと、恐竜たちは ”キョダイインセキ” のせいで ”ゼツメツ” したことを理解した。

 

 

出口に設置されたお土産コーナーではアンモナイトの化石が販売されていた。

欲しそうにしているけれど決して欲しいとは言わない私の様子を察して

母が「買ってあげるけん、好きなん選び」と言ってくれた。

私が、大理石に混じっているような ツルピカのアンモナイトを手に取ると

「偽物っぽいけんこっちのほうがええんやない?」と

砕けたコンクリみたいな 汚いアンモナイト となんだかよくわからない 三葉虫という平たいカブトガニみたいな謎の生物の化石 のセットを手渡してきた。

 

 

・・・何・・・だと・・・!!!!!!!!!

 

 

必死に抵抗する私。

笑顔でボロい貝となんだかよくわからない謎の生物の化石を押し付ける母。

 

 

・・・圧倒的・・・敗北・・・  ○| ̄|_ちーん

 

 

汚いアンモナイトを手に入れた。

メンタルが2強くなった。

 

 

納得などしてはいないのだけれど、それでもとても嬉しかった。

 

そのアンモナイトは、宝箱には入れられず、机の鍵のかかる引き出しに保管された。

その引き出しは博物館仕様になっていて、川で拾った綺麗な石や、貝殻や、シーグラスが並べてある。蝶々のブローチもここに展示していた。

たまに取り出して、サイドライトの明かりで観察し、ピンセットでつついたりして、考古学者気分を味わうのだ。

 

かつての私が魅了され、夢中になり、恐怖したのは、バカでかい爬虫類の怪獣みたいな恐竜という生き物であって、突然現れた 翼のない巨大な鳥のような怪獣には何の思いい入れもないのだ。

でかくても、目が怖くてもカラフルな羽毛なんかフサフサと生やされてしまっては、

ちょっと”ゆるふわ感”が出ちゃってるじゃないか!!

気持ちよさそうにモヒカンなびかせてんじゃねぇよ!!

もふもふさせろや!!

と思ってしまうので、私の認識している恐竜とNEO恐竜はもはや別の生物なのである。

”NEO恐竜” が本来の恐竜の姿であるならば、私の愛した ”恐竜” たちの立ち位置は何処か?本屋やネットでもNEO恐竜の侵食はどんどん進んできていて、かつての恐竜たちの姿を見つけるのも困難になりつつある。

自分が夢中になり、信じていたものがいつか、フィクションや都市伝説みたいに扱われてしまうとしたら、それはとても残念で、悲しくて、もう新たな発見なんて・・・・・・しなくてもいいですよ。と思ってしまうのです。

 

 

余談

「ジアンチャンゴサウルス」という恐竜が、

大好きな歌丸師匠にちょっと似ていると思うのです。

 

 

 

 

 

チョコミントアイデンティティの考察

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ポニーテールとチョコミントアイスの似合う、

ちょっと生意気そうな雰囲気の女の子になりたかった。

 

チョコミントは早々に断念した。

ミント味は苦手だ。

ミントガムを食べると舌がヒリヒリして涙が出る。

だから 歯磨き粉も嫌いだ。

かなり譲歩してシトラスミントとかを使っているけれど、

毎日「マズいなぁ」と思いながら歯磨きをしている。

 

歯磨き粉の味がするからという理由から、マックのハンバーガーに入っているピクルスも苦手だ。

しかし、ピクルス=歯磨き粉風味 という私の感性豊かな味覚は、誰からも共感を得ない。

みんなは あのピクルスを何味と認識しているのだろうか。 

 

 

・・・・・・。 

 

 

ポニーテールにするために運動部ボブだった髪の毛を伸ばし、

私の中の ポニーテールマストアイテムである

スニーカー ・ ミニスカート ・ペロペロキャンディを装着し

(フーセンガムも捨てがたいが、すぐに味がなくな(以下略))

チョコミントアイスの食べられない私は、完成度80%くらいの

憧れのポニーテールガールになったのだ。

 

 

うむ。

大変 満足である。 

  

 

そういえば"苺味の板ガム"を噛み続けていた時期もあった。

期間限定の 苺味の板ガム を箱買いし、常備・摂取していた。

理由は、

初めて会った人に ”イチゴの匂いの子”

と認識されたら、ちょっとカッコイイ!!!!

って思っていたからである。

 

 

うむ。

大変 残念な子である。

  

 

過去の自分の ”理想像のような何か” について考えてみると

好きな映画 や 本 なんかから、都合よく”好き”だけを切り抜いて

全部詰め込んで、着せ替え人形みたいに ペタペタと貼り付けて・・・

でも、それがちゃんと似合う子になりたかったのだと思う。

  

抽象的なたくさんの”好き”を目に見えるかたちに具現化しようとした結果

集約されたのがどうやら、ポニーテール+チョコミントアイスだったようだ。

 

 

うむ。

過去の自分の思考ながら、なかなか理解しがたいものである。

 

 

実家のリビングにある引き出しの一角に幼稚園の頃の私の宝物入れがある。

記憶にあるかぎりでは、ネジやBB弾やビー玉を集めていたような気がするが・・・

 

今度帰った時に開けてみようと思う。

何が出てくるのか楽しみだ。

 

 

 

におい

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高校生の時にANNASUIのANNASUIという香水を貰った。

黒い妖艶な容器に入った紫色の液体

粘膜から体内に浸透していくような

甘ったるい匂いに脳がクラクラした。

 

身近にある唯一の香水は ばぁちゃんが持っている

CHANELのNo.5で 大人の香りがしたから

自分には、当分 縁のないものと思っていた。

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私の家族は ”ほぼ無臭” が大好きで、

いい香りであろうと強いの香りを放つモノは拒む。

芳香剤や香り付き柔軟剤は使わないし

エスニック料理も積極的には食べない。

 

私も ”ほぼ無臭” で育った影響をモロに受けていて

小学生の時、手塩にかけて育てた満開のマリーゴールドの匂いに気分が悪くなって保健室に運ばれたし

タイカレーを初めて食べた時は口に入れた瞬間吐きそうだったし

車の芳香剤は特に苦手で、

バスとかタクシーもなんか独特の匂いがするから極力乗りたくない・・・

 

 

匂いは 人の記憶に 残りやすい

 

 ふとした瞬間に、 

普段思い出さないような 昔の記憶が 蘇ったりする。

 

 

好きな人の匂いなんかは、脳みその どこかに染み付いていて

もう今は使っていない 過去の香水の甘い匂いこそが

彼自身の匂いだったかのような錯覚をしていて

別の香りを身に纏う彼を 別人のように感じてしまったりもするのです。

  

 

ANNASUIを手に入れた私は、とりあえず つけて出かけてみた。

 

自分が匂いの膜に包まれてるみたいで不思議だった。

風が吹くと膜は消えて、止むとまた膜に包まれる。

自分だけのテリトリーみたいな、

特殊な絶対防壁みたいだ。簡単に貫通するけど・・・

 

初めて香水を付けた感想は、なんとも中二病的だった。

 

初めは慣れなくて、自分の匂いに酔ったりもしたけれど

使っていくうちに慣れていった。

 

大学生になって、一人暮らしを始めて

私は ”ほぼ無臭”族ではなくなった。

部屋ではお香やアロマを焚くし、

エスニック料理も好きになった。

香り付きのボディークリームや香水も使う。

 

でも、オシャレをするのと同じで

ちょっとカッコつけたいだけで、

香り付き柔軟剤なんて使わないし

相変わらずタクシーとバスの匂いは苦手で

 

早起きの朝の匂いとか

夜風に乗って香ってくる金木犀の匂いとか

雨の日の匂いとかの方が好きだ。

 

母上、やはり私は ”ほぼ無臭” の国の住人のようです。(土下座)

 

でも、香水の”絶対防壁” 的感覚は今も健在で、 

つけると、なんかちょっとだけ防御力が上がる気がするから

今日は気合入れなけば!!

っていう日は、ANNASUIを つけて出かけるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なくしもの

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よく、なくしものをする。

お気に入りほどよく なくす。

 

 

小さい頃、「健康ランド」でじいちゃんに買ってもらった 大衆浴場とは全く無縁の

ピンクの蝶々のブローチとか

 

BEAMSに行くたびに(いいなぁ。欲しいなぁ)と眺め続けていたら

プライズプレゼントしてくれたブレスレットとか

 

地元にあった行きつけの民族雑貨屋が閉店するからと、安くしてもらって買った無骨な緑の石の指輪とか・・・

 

裾がダメージ加工になっているヘビロテのダークグレーのTシャツとか

 

 

特に小さい頃は、お気に入りを使わずにしまっておく子供だった。

使って汚れたり、なくしたりするのが嫌だったから。

箱からそぉーっと出して眺めたり、たまに着けてみたり、

うっとりし、満足したらまたもとの箱に戻すのだ。

鍵はかけずにしまっておく。

 

宝箱の鍵 を見つからない場所に隠すんだけど、自分でもその場所がわからなくなって

鍵をいつも  なくしてしまうから。

 

小学校 4年生のとき、じいちゃんに赤いベロアのショートブーツを買ってもらった。

4つ穴の編み上げで、裏地はベージュのチェック柄、靴底はベージュのゴムで出来ている。サイズは大きめの20センチ。

店員さんに箱に詰めてもらい、じいちゃんに満面の笑みで「ありがとう」と100回くらいお礼を言い、上機嫌で家に持って帰り、瞬時に装着し、両親に見せびらかし、「似合うよ。」「可愛いね。」「よかったね。」と散々褒め称えて頂き。

満足した私はその赤い靴を例のごとくさっさと箱にしまった。

毎晩 箱から出して眺めた。 

母親に「使わんのやったら、もう買ってあげんよ。」と説得された挙句

数回は、泣く泣くお気に入りの赤い靴を外に履いて出かけた。

 

水たまりはないか、ガムを踏んづけてはいないか・・・・

  

中学生になったある日、母親が靴箱の整理をしていて、私はお気に入りの赤い靴をもう履けなくなってしまったことに気づく。

私の今の足のサイズは21.5センチだ。

たった1.5センチ・・・

あまり履いていない新品同様の赤い靴は、これ以上汚れることはないけれど、

履いて出かけることもできないのだと、申し訳ない気持ちになった。

 

その日から、お気に入りを箱に閉じ込めておくのをやめた。

白いワンピースは買った次の日ににチョコレートアイスで汚した。

ビーズのブレスレットはもらった日からずっと付けていたから、切れてバラバラになった。

ナイキのエアフォースでは初日に犬の糞を踏んで滑ったし、

箱から出した ピンクの蝶々のブローチは1ヶ月後に カバンから消えていた。

 

民族雑貨屋の店長に「よく物をなくす」と言ったら

「今は必要なくなったから手元から離れているだけで、いつか必要になったら

全く同じ形ではないかもしれないけれど 必ず自分の元に戻ってくるよ」と言われた。

 

なんと スピリチュアリティに満ち溢れた 超絶都合のいいポジティブな回答か!!

と思うと同時にホッとし、納得してしまった事実も否めない。

 

ピンクの蝶々のブローチだけは、箱から出さなければよかった と思うけれど、

もし箱にしまったまま、なくしていなかったら じいちゃんと健康ランドに行った日のことを思い出す回数は今よりも格段に少なかったんじゃないだろうか?

とも思うのだ。

 

でも、やっぱり好きなものや、思い入れのあるものを失うのは嫌だから

いっぱい使って、大事にしようと思う。

 

でも、大事にしていても気づいたらなくなってるから・・・

結局 どうすればなくならないの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下北沢の夜

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下北沢に住んで今年で5年目になる。

この街に住もうと決めたのは、ライブハウスと音楽スタジオがいっぱいあったから。

 

借りた部屋は、築年数40年超えの、見た目はボロい木造アパートで

トイレが和式だけれど、

雨が降ると壊れた雨樋が バダバダバダとうるさい音を立てるけれど、

白い壁と、ブルーグレイに塗られた柱に一目惚れをして「ここに住む!!」と即決した。

友達や家族は口を揃えて「ボロいね・・・」というけれど、私自身はかなり気に入っているのだ。

地震がきたら潰れるやろなぁ?と思うけれど・・・なかなか引っ越す気にはなれない。

女子ならマンションの方がセキュリティー的にもいいのだろうけれど、鉄筋の建物は なんか壁が分厚すぎて、部屋ががっちりしすぎていて、四方をボディービルダーに囲まれているみたいな、見えない力にに常に圧迫されているみたいな気分になるから苦手なのです・・・

 

電気屋以外は結構何でもある

ライブハウスとスタジオは多いのに楽器屋は少ない

雨があまり降らない(主観)

猫が似合う(主観)

住宅街は道が細かくてしかも曲がったりするから感覚で進むと迷う。

駅から徒歩15分の自分の家に帰るのに2時間かかったことがある・・・

きっとどこかで時空の歪みが生じたか、妖精さんの仕業である。

 

都会では、綺麗な星空は見られないけれど、この街は少しノスタルジック?だからか「星がみえない」と文句を言うことが少なくなった。

でも、相変わらず東京の空は狭い。

 

今は新しくなってしまったけれど、

下北沢駅小田急線と、井の頭線のごちゃっとした迷路みたいな構内も洞窟探検をしているみたいで好きだった。

 

例えば、散歩をしていて、いつもは目につかない路地をなんとなく曲がって見ると

迷い込んだ街。 っていう設定が似合うと思う。

 

ココアじゃない"ホットチョコレート"がちゃんと出てくる 喫茶店

ランプがいっぱい吊るしてある バー

特別美味しいわけではない 行きつけのラーメン屋

ぷらっと立ち寄る雑貨屋さん

決まってハシゴする古着屋

錆びたトタンと看板

密集する店舗

石畳

集合場所のハンバーガー屋

練習スタジオ

長電話しながら歩く緑道

 キラキラの交差点

 

お気に入りは増えていく。

 

いつか、故郷で過ごした年月より

下北沢で過ごす時間の方が多くなるんだろうか?

 

下北沢は好きやけど、それはちょっと寂しいなぁ・・・

 

ちょっとセンチメンタルになりながら 

ぽてぽて と初老のアパートに帰る。