mushroom on the poolside

女の子はお砂糖とスパイスでできてない 

におい

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高校生の時にANNASUIのANNASUIという香水を貰った。

黒い妖艶な容器に入った紫色の液体

粘膜から体内に浸透していくような

甘ったるい匂いに脳がクラクラした。

 

身近にある唯一の香水は ばぁちゃんが持っている

CHANELのNo.5で 大人の香りがしたから

自分には、当分 縁のないものと思っていた。

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私の家族は ”ほぼ無臭” が大好きで、

いい香りであろうと強いの香りを放つモノは拒む。

芳香剤や香り付き柔軟剤は使わないし

エスニック料理も積極的には食べない。

 

私も ”ほぼ無臭” で育った影響をモロに受けていて

小学生の時、手塩にかけて育てた満開のマリーゴールドの匂いに気分が悪くなって保健室に運ばれたし

タイカレーを初めて食べた時は口に入れた瞬間吐きそうだったし

車の芳香剤は特に苦手で、

バスとかタクシーもなんか独特の匂いがするから極力乗りたくない・・・

 

 

匂いは 人の記憶に 残りやすい

 

 ふとした瞬間に、 

普段思い出さないような 昔の記憶が 蘇ったりする。

 

 

好きな人の匂いなんかは、脳みその どこかに染み付いていて

もう今は使っていない 過去の香水の甘い匂いこそが

彼自身の匂いだったかのような錯覚をしていて

別の香りを身に纏う彼を 別人のように感じてしまったりもするのです。

  

 

ANNASUIを手に入れた私は、とりあえず つけて出かけてみた。

 

自分が匂いの膜に包まれてるみたいで不思議だった。

風が吹くと膜は消えて、止むとまた膜に包まれる。

自分だけのテリトリーみたいな、

特殊な絶対防壁みたいだ。簡単に貫通するけど・・・

 

初めて香水を付けた感想は、なんとも中二病的だった。

 

初めは慣れなくて、自分の匂いに酔ったりもしたけれど

使っていくうちに慣れていった。

 

大学生になって、一人暮らしを始めて

私は ”ほぼ無臭”族ではなくなった。

部屋ではお香やアロマを焚くし、

エスニック料理も好きになった。

香り付きのボディークリームや香水も使う。

 

でも、オシャレをするのと同じで

ちょっとカッコつけたいだけで、

香り付き柔軟剤なんて使わないし

相変わらずタクシーとバスの匂いは苦手で

 

早起きの朝の匂いとか

夜風に乗って香ってくる金木犀の匂いとか

雨の日の匂いとかの方が好きだ。

 

母上、やはり私は ”ほぼ無臭” の国の住人のようです。(土下座)

 

でも、香水の”絶対防壁” 的感覚は今も健在で、 

つけると、なんかちょっとだけ防御力が上がる気がするから

今日は気合入れなけば!!

っていう日は、ANNASUIを つけて出かけるのだ。