mushroom on the poolside

女の子はお砂糖とスパイスでできてない 

火曜日の食卓

f:id:mushlee:20150406170336j:plain

 

「好きな曜日は?」ともし聞かれることがあれば

迷うことなく「火曜日」と答える

 

 

物心ついた頃から火曜日は特別だった

 

 

飲食店を営む実家の定休日が火曜日だから
家族の誕生日も、お祝いも、法事も、旅行も
楽しいことも、悲しいことも 大体全部「火曜日」だった

  

我が家には暗黙のルールがいくつかある
「火曜日は家族5人 全員揃って晩ごはんを食べる」もその一つだ

 

母は できるだけ家族が揃って晩ごはんを食べられるように努めていた
火曜以外の平日は 父以外の4人で
土日は母も店を手伝うので祖父母の家で食べさせてもらった
だから 晩ごはんを 1人で食べたという記憶はない


我が家におやつという習慣はなく ごはん前の間食など許されるはずもなく
姉弟の部活動や塾の終わる時間まで空腹に耐えつつ文句を言いながら待つので
帰ってきた当人と姉弟喧嘩が始まるのはごく自然の流れだった
それでもみんな揃って食べるごはんはおいしい

修学旅行なんかで1人いない時は
あたりまえのようにいつもの人数分用意してしまった箸とお茶にモヤモヤして
あんなに怒っていた 空腹喧嘩を少し反省しだすから不思議だ

 

平日は誰かの予定に合わせて晩ごはんの時間が決まるけれど
火曜日は 19時 
遅れると母の雷が落ちる 最悪 晩ごはん抜きだ
もう少し友達と遊んでいたいけれど
「家族でごはんを食べるから」と言って先に帰る

 

「ただいまー」と言って階段を駆け上がると匂いで献立がわかる 

 

普段は私が陣取っている 居間の正面の居心地のいい席は
本来父の席なので 火曜日だけは姉の隣に詰めて座る
同じ身長の姉の頭のせいでTVが見づらい
がしかし、父の隣の席なので料理が非常に取りやすい

 

夏は 焼肉か そうめんと天ぷら とかが多くて

冬は 鍋 が多い

どちらも大量に出てくる

 

準備が楽だからと母は言っていたけれど

1つの皿からみんなでつつきながら食べらる献立にしてあるのかな?

と深読みしたりもする

  

今でも、火曜日は私にとって特別なままで
憂鬱なはずの月曜日も「明日は火曜日だ」となんだかそわそわしてしまう
東京に来て1人で晩ごはんを食べるのにもすっかり慣れてしまって
手抜きをすることも多けれど 

 

火曜日だけは少し頑張って
大切な人と一緒に晩ごはんを食べていたいのだ